「私、救世主なんだ。まぁ、一年後には死んでるんだけどね」は、2022年7月発売のラノベ作品です。
そんな本作を読もうかお悩みではないでしょうか?
今回は「『私、救世主なんだ。まぁ、一年後には死んでるんだけどね』を読もうか迷ってる」という方に向けて、感想などを交えて作品の内容を紹介していきます。
読むかどうかの判断材料になると思いますよ!!
「私、救世主なんだ。まぁ、一年後には死んでるんだけどね」の作品概要
原作者:なめこ印
イラスト:珀石碧
レーベル:ファンタジア文庫
発売日:2022年7月20日
価格:748円
ページ数:328ページ
・考察が好きな方
・異能バトルが好きな方
・純愛ものが好きな方
・主人公最強な作品が好きな方
読みやすかったです。
ー理由ー
・「聖墓機関」「背神者」などのオリジナルの用語が少し多いけど、それ以外はあまり難しい言葉は出てこなかった。
・1ページあたりの文字数が少なかった。
あらすじ
「最強の、能力者」「最高の、ボーイミーツガール」「衝撃の、展開」
救世主・神代風花は人類を救うため、一年後に死ぬ。
そんな彼女は初対面の僕に言った。
「私と付き合ってくれない?」彼女が最期の一年でやりたいことを記した『救世主ノート』。
僕は彼氏として、その項目を一緒に埋めていくことに。
春の出会い、夏の花火、秋の文化祭、冬の逃避行。
思い出が増えるたびに気づいていく――神代は、普通の女の子だ。
人類の敵を狩っている最強の影遣いの僕なら、死ぬ前に彼女を助けられるだろう? 思わず読み返したくなる衝撃と驚愕のクライマックス。『最強の能力者である少年』と『一年後に死ぬ救世主の少女』が織りなす最高のボーイミーツガール小説、誕生。
ファンタジア文庫のホームページより引用
用語紹介
罪華(ざいか)
ヘドロでできた食虫植物のような奇形の化け物。
忘れられた人の「罪」が具現化した存在。
夜にのみ行動して、人を襲う(罪華は罪からの救済を求めており、救いを求めて人に縋りついた結果、力加減ができずにそのまま締め殺したり、助けてもらえないことに逆上して食い殺してしまう)。
生まれ落ちたばかりの罪華は「泣き声」を上げているが、自分が救済されないことを悟った罪華は、開花して「笑い声」を上げるようになる。
この状態の罪華は己の悪意を撒き散らすために行動するため、開花前の泣く罪華とは比べ物にならないほど強い。
罪華を殺したとしても、その死骸から穢れが大地に染み込んでしまい、それが蓄積して全てが穢れ堕ちてしまうと世界は滅んでしまう。
救世主
罪華を一掃できる贖罪機構。
命と引き換えに、大地の穢れを完全に浄化することができる。
上記の力の発動は本人の自由意志に委ねられており、救世主は世界を救うために自分の意志で死ななければならない(強制、脅迫、洗脳などで発動させることはできない)。
強大な浄化の力により罪華を清め、新たなる生命体へ生まれ変わらせることもできる。
そのため、救済をもとめる罪華たちを引き寄せてしまう。
聖墓機関(ゴルゴダ)
罪華から人類を救うための組織。
多くの背神者が所属しており、罪華による被害から人々を救っている。
最終的な目標は、唯一人類を救うことができる救済者に能力を行使してもらって、全てが穢れ堕ちる寸前である世界を救うこと。
能力を行使してもらうために、救済者が欲しがるものは全て与え、望んだことはほとんど叶えている。
救済者のための組織と言っても過言ではない。
背神者(イスカリオテ)
罪華の瘴気を吸い、命を汚されたものは神の理から外れてしまう。
その時に植え付けられた憎悪と精神的喪失が重なることで、人智を超えた能力(異能)を手にした者を背神者という。
背神者の能力の強さは、罪華に抱いた憎悪と、失ったモノの大きさによって決まる。
十三使徒
「〜使徒」というのは聖墓機関による背神者のランク付けで、戦力分析のためにつけられる。
「十三使徒」はそのランク付けの中で、最上位に位置する者たちにつけられる特別な称号。
十三使徒という括りの中でも「第1〜13席」という序列が存在し、その番号が若いほど強力な駒ということになっている。
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登場人物紹介
影山 燐(かげやま りん)(男)
本作の主人公。
かつて「罪華」に襲われ、家族を皆殺しにされた。
その際に「影つかい」としての能力を覚醒させた。
救世組織「聖墓機関」の能力者「背神者」として、復讐のために日々罪華を狩っている。
十三使徒であり、序列は第一席の「最強の背神者」。(詳しくは上の用語解説に書いています)。
ある日、任務として神代風花と付き合うこととなる。
神代 風花(かみしろ ふうか)(女)
本作のヒロイン。
おちゃらけた性格で、いつも燐のことをからかっている。
燐から「無駄に顔が良い」と評されるほどの美少女。
「救世主」であり、その役目として人類を救うために17歳で死ぬことが決まっている。
燐に告白して最後の1年を共に過ごす。
「救世主ノート」に書かれたやりたいことを、燐と共に消化していく。
アネモネ (女)
背神者として活動する燐のパートナー。
「顔立ちには幼さが残っているが、将来的には美人になりそう」と燐から評されている。
多くのサポート系の異能を持っている。
黒鉄 牡丹(くろがね ぼたん)(女)
聖墓機関の背神者で、能力は「鉄つかい」の能力。
自他に厳しくキツめの性格。
「救世主」に心酔している。
長瀬 真琴(ながせ まこと)(女)
風花の友達。
日に焼けた肌が似合う、長身な女子。
朝霧 花恋(あさぎり かれん)(女)
風花の友達。
いつもシールでデコったマスクを付けている、ミニマムな女子。
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感想
作者のなめこ印先生が「小さな青春の只中で、大きな使命を背負わされた少年少女のためだけの物語」と言っているように、「燐(主人公)と風花(ヒロイン)の掛け合いを楽しむためだけの物語」と言っても過言ではない作品でした。
燐は「罪華」という化物に家族を皆殺しにされてから、罪華に復讐するためだけに生きてきました。
そんな燐ですが、風花と出会ったことで少しずつ変わっていきます。
最初は風花のことを鬱陶しがっていたのですが、共に様々なことを経験していく中で風花に徐々に好意を抱き始め、それと同時に暗かった性格が明るくなっていきました。
二人の掛け合いが非常に微笑ましかったです。
本作は「表1章→裏1章→表2章→裏2章」と言った流れで物語が進んでいき、「表パート」は基本的には燐と風花の微笑ましいやり取りが描かれているのですが、「裏パート」ではガラッと雰囲気が変わって、シリアスな感じになっていました。
裏パートでは燐などの戦闘シーンを楽めます。
「最強の影つかい」である燐が、影を使って次々と罪華を倒していく姿が非常にカッコよく、厨二心をくすぐられました(笑)。
そんなこんなで物語が進んでいき、物語終盤では衝撃のどんでん返しが起きるんです。
何が起きるのかを考察しながら読んでみるのもいいかもしれません。
終盤の展開を知った状態で最初から読み返すと違った楽しみ方ができるので、二度楽しめる作品でした。
まとめ
「私、救世主なんだ。まぁ一年後には死んでるんだけどね」は斬新な設定を生かして、読者を物語の中に引き込んでくれるような作品になっています。
ラノベをたくさん読んできたという方から、あまり読んだことがないという方まで、幅広くお勧めできる作品ですので是非読んでみてください。
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